インターネットの法律情報の使い方
平素より大変お世話になっております。
三重県四日市市の大洋総合法律事務所の事務員Hです。
当事務所もこのように、Webサイトを持っており、事務所の情報やこのブログの様な情報発信を細々とでもおこなっておりますので、法律事務所のWebサイトやポータルサイトの情報をもとに、お問合せをいただくいことも少なくありません。
その中でも、『インターネットにはこう書いてあった。』と頑なに主張されることで損をしていらっしゃるなぁと思われる事例もいくつか経験しております。
インターネット上に情報が溢れている状態で、法律相談をしたいとご連絡をくださるご相談者様にとって、どのように活用するのがおすすめか、法律事務所の事務員の立場から簡単に書いてみたいと思います。
インターネットの情報を信じすぎる人が損をする訳
ネット記事の落とし穴
当事務所をはじめ、法律事務所に法律相談をしたいと連絡を下さる方の多くは、ご自身を取り巻く問題に対して本当に真剣に悩み、当たり前のことですが、ご自身で、いろいろと考えて、悩んで、それからご相談にいらっしゃいます。
きっと、どうにかして問題を解決したいと、お知り合いや、書籍や、インターネットや、何かしらご自分でいろいろ調べたりしても確信が持てず不安でしかたなくて、専門家の元を頼ったのだと思います。
近年特に多いのが、インターネットの情報をもとに、
『自分はこのケースと同じなのではないか』
『私にも当てはまるのではないか』
そうお考えになって、法律相談の際に『インターネットに書いてありました』とおっしゃるご相談者様です。
インターネットで事前に情報を集めることは、すごく正しいことだと思います。
事前に情報を集めることで、ある程度の見通しが立ったり、心の準備ができることもあるでしょう。
しかし、落とし穴もあることも知っておいた方が良いと思います。
それは、『インターネットに書いてある話と、ご自分のケースが全く同じ条件ではない』という点です。
特に多いのが、ご自分のケースに当てはまる、有利な結果を出している記事はないかと情報を探しまくって、例えば9個否定的な記事があって1個肯定的な記事がある場合、肯定的な1個のみを拠り所に信じて『この結果を出してほしい』とご相談に来られるような方です。
その例外的な1個の記事とご自身のケースが、全く同じであるなら同じ結果になる可能性は確かにあるかもしれませんが、記事には書いてない情報がご自身のケースと違うこともあるのです。
※(弁護士からの補足説明)
そもそも、インターネット上の法律相談事例の多くは、個別事情や背景事情がカットされて、デフォルメされています。弁護士には守秘義務があるので、他の解決事例といっても、そっくりそのまま掲載するわけにはいきません。
仮に、依頼者の方から同意をもらったとしても、その案件には、対立している相手がいるわけで、相手のプライバシーなどへも配慮ももちろん必要なので、一部の例外を除いて、そっくりそのまま、事案を紹介することはないと考えてください。
また、掲載されている情報も、具体的な裁判資料や処理経過の資料までは通常は掲載しません(というか、できません)。
ですから、あくまでもインターネット上の情報は、ざっくりとした情報収集や、法律の原則や考え方を理解するためにご利用頂くことが、ベストだと考えています。
弁護士としては、実際にご相談者様が法律相談に来て、ご相談者様の情報を全て聞いて答えが変わることもあるので、『インターネットに書いてあったのだからこういう結果が期待できるはずだ!』と言われましても、イエスと言えないケースもあるのです。
ご相談に来られた方の個別の事情を考慮して、あなたにとっての最善の策はこうですよ、という答えを聞いても、納得されない方もいらっしゃいます。
そういった場合は、インターネットで参考にされた記事を書かれた弁護士に相談することをお勧めしております。
※(弁護士からの補足説明)
インターネットに〇〇と書いてあったはずだ!とおっしゃる方がいます。その方には、インターネット上の記事を印刷して、相談時に持ち込んで頂くことをお薦めしております。
また、極稀にですが、法律に詳しい友人に聞いたら勝てると言っていたと言う方がいますが、こういった方は、その法律に詳しい方に、自己責任で全てお任せすればよいでしょう。
法律事務所選びで参考にするべきことは、専門性と相性である
このように、インターネットの記事とご自身のケースが全く同一でないと参考にならないということもありますが、それでも、インターネットで情報を調べにいくことが有用なことももちろんあります。
法律事務所の事務員として、法律相談に行くにあたりおすすめの情報収集の仕方は3つあります。
1つ目は、これまでと同じく、ご自身のケースと同じ様な場合にどのような結果になりうるかという情報収集です。
法律の原則はどうなっているのかといった基本的なところのお勉強にとどめるのか
それとも、難しいところまで情報収集するのか、
どこまで時間をかけて、ご自身で勉強する余裕があるのか、を考えながら、ネットの記事を読み、必要とあれば、どんどん難しいことも調べられることも、良いと思います。
ネット上の体験談や相談事例を読む場合は、自分のケースでどこが一緒で、どこが異なっているのか等も、ちょっと考えてみるとよいと思います。
2つ目は、相談する弁護士の取扱分野や専門性の情報収集
すべての分野をまんべんなく取り扱っている弁護士は、実は少数派なのではないか、と当事務所の弁護士はいつも言っています。どんな仕事でも似たようなものだと思いますが、仕事をしていく中で、取り扱い分野は、自然と偏りが生じてくるというようです。『専門性』と謳っていなくても、経験数が多いかどうかというのは、アドバイスの質や量に大いに影響します。
同じ様な事案を取り扱った経験はもとより、同じ分野の事案を経験している弁護士であるかどうかを調べるのは有効かと思います。
3つ目は、弁護士との相性に関しての情報収集
法律事務所のホームページを見ると、事務所によって特色は様々かと思います。
熱く闘争心を打ち出している弁護士もいるでしょうし、優しさを打ち出している弁護士もいるでしょうし、冷静沈着さを打ち出している弁護士もいると思います。
ご自身に合うと思う弁護士に相談するということを考えると、弁護士との相性を考えながら情報収集するのはとても有効だと思います。
ただし、インターネット上から得られる情報というのはあくまで限定的です。
ご相談者様の個別の状況に合わせた答えというのは、直接法律相談してみないとわかりません。
インターネットに書かれているのと同じ答えになることもありますが、ならないこともあります。
しかし、目の前の弁護士がその知識と経験値を用いて、ご相談者様のお話を直接聞いて、オーダーメイドの答えを出したのであれば、少なくともインターネットの他人の解決事例から、ご自身でいろいろ考えたり、想像するよりは、安心で、的確な答えが十分に期待できると思います。
しかも、いろいろ1人で考えるよりも、時間も節約できると思います。
ご相談はお早めがお勧めです
もし、お困りになっていることがあったり、もしかしたら今後争いごとになってしまうかもしれないと思うことがおありでしたら、お早めに相談に来られることをお勧めしております。
争いごとは火種が小さなうちの方が解決するのも簡単ですし、費用も時間も少なくて済みます。
問題が大きくなる前に、どうぞお早めにご相談頂くことをお勧めさせて頂きたいと思います。
当事務所の初回法律相談は、全て有料で承っております。
ただし、交通事故の法律相談で、弁護士費用特約がある方は、自己負担がゼロになり、実質的に無料になります
➡過去の記事で詳しく説明しておりますので、良ければをご参照ください
https://taiyo-law.com/blog/clerk-blog/1201/
もちろん、相談に来たからと言って、無理に契約を薦めることは一切致しておりません。
ご相談時に見通しをお伝えさせていただいておりますので、初回法律相談だけで気持ちが落ち着かれる方も多くいらっしゃいます。
ご相談のご予約は、お電話のほかに、お問い合わせフォーム、公式LINEからも受け付けております。
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