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【法律相談】交通事故の賠償請求のリミット(3年・5年) を知っておく

交通事故の場合、ケガ関連の損害を「人身損害」と言い、車の修理費やそれに関連する損害を「物的損害」と言いますが、この2つの損害についての賠償請求は、いつまでに行えばよいのか、という問題に関して、昨年、最高裁判例が出ています。

最高裁判決;https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90661

最高裁は、「車両損傷を理由とする損害と身体傷害を理由とする損害は、これらが同一の交通事故により同一の被害者に生じたものであっても、被侵害利益を異にするもの」と述べています。

被侵害利益とは、身体傷害を理由とする損害(いわゆる人損)は、ケガの治療費や慰謝料ですから、被侵害利益は、人間の体に関連するもの、車両損傷を理由とする損害(いわゆる物損)は、車の修理費などを指すので、被侵害利益は、その物の所有権などと考えているのだと思います。

ただ、現実に交通事故の訴訟や示談を担当していると、人損なのか、物損なのか、はっきりしないものもあります。実務的には、あまり意識的に考え抜かれていないものと思いますし、最終的に賠償さえしてもらえればよいので、議論することに、実益はないですが、ふと思い出したので、ご紹介します。

眼鏡が事故で割れてしまったときの眼鏡代は?

眼鏡は、「物」なので、物損かと思いきや、実務的には、人身損害の一部として、保険会社は取り扱うことが多いようです。「人間の視力を補完する器具」と考えているようです。

一説によると、人間の身体機能を補完するものは、人身損害になる、という説明を昔聞いたことがあります。

ただ、これだと、度なしのダテメガネ、サングラスはどうなるのか、日よけのために被っていた帽子やサンバイザーはどうなるのか、という疑問が出てくるのですが、これがまさに「解釈の余地がある部分」ということです。弁護士や裁判官というのは、こういったところ、真面目に考えて、法律上、どちらに該当するのか、なんて議論したりすることがあります。一種の思考訓練のようなものです。

服が破れた、靴がつぶされた又は飛んで行ったときは?

車対バイクや、車対人の交通事故の場合、衣類が破けたり、事故の衝撃で、歩行者が履いていた靴が飛んでどこかに飛んで行って、片方なくなったり(大事故だと、よくあります)、革靴が車にひかれて、ぺしゃんこになっていたりするケースです。こういう大事故では、私は、可能な限り、小さな損害でも、一つ一つ請求していくというスタンスをとっています。

衣類や靴は、「人間の身体機能を補完するもの」とも考えられそうです。そうだとすれば、人身損害に分類してもよさそうですが、これは、私の知る限り、ほぼすべてのケースで、物損と考えることが大半です。バイクのヘルメットも物損です。事故時に背負っていたリュックサックなどの鞄も物損です。

杖、車いすが壊れたときは?

足が悪い方が使っている、「杖」や「車いす」はどうなるでしょうか。

人身損害でしょうか、それとも物的損害でしょうか。

個人的に、「杖」は人身損害でいいと私は考えています。

車いすは、難しいですね、身体機能を補完するものと考えれば、人身損害と言う考え方もあるかなと思います。

被侵害利益のとらえ方では、異論もあるかもしれません。

というのも、車と自転車の事故で、自転車が壊れた場合、自転車は物損と整理されることが多く、これとパラレルに考えると、車いすは、物損かもしれません。

いずれにせよ、しっかり賠償してもらえれば、それでよいのですが、最高裁判決を読んでいると、こんな疑問がわくのが、弁護士の職業病なのかもしれません。

議論の実益は?

最終的に、賠償さえしてもらえれば、どちらでもよく、むしろ、時効が絡む前に、はやく解決に向けて動くべきであるという現実的な考えを当事務所は持っており、議論する実益がさほどないと考えています。

ただ、今回の最高裁判例をベースにすると、時効の起算点に絡んでくることになり、議論の実益は、小さいながらあるかなぁと思います。

大けがをして、治療が長期化して、損害賠償の具体的な話が事故からかなり時間がたってから始まるケースや、交渉が膠着化して、長期間放置してしまうケースなどでは、時効にかかってしまうケースがありうるのかもしれません。

大事故は、損害額も大きくなり、すべて個人で示談交渉をすることは、私は全くお勧めしませんし、大事故に限って、被害者の方のケガのダメージも大きく、時間ばかり経過してしまったケースも見たことがあります。

そうでなくても、保険会社と喧嘩してしまったりして交渉がストップしてしまっている案件は、現にあります。

こういったケースでは、時効の問題が絡んでくることも事案によってはあると思うので、早く弁護士の相談したほうがいいということです。

時効期間は?

最後に、肝心の時効の期間ですが、今後発生する交通事故に関しては、物損の時効は3年、人身の時効は5年と考えてください。

何月何日から数えるのか、という問題などの、細かい質問されることもありますが、原則として、事故日からカウントしておけば問題はありません。むしろ、事故日から3年もたっているのに、解決の筋道が見えておらず、それまでに弁護士にも相談してない、という状況のほうがリスクです。

少しだけ、細かい話を紹介すると、ひき逃げ事案などで加害者が不明な場合などは、事故日から起算されないケースもあります。

交通事故相談のススメ

いろいろなことを事故の被害者の方が考えて、悩むこと自体、コストですし、心労も重なります。

交通事故は、毎日どこかで必ず発生していて、友人知人などが事故に遭ったという話を聞いた人は多いと思います。その結果、交通事故の処理は、なんとなく簡単なことに思えて、事故処理やその後の保険会社との交渉くらい自分でできると思っている方も多いと思います。

ただ、現実は、そうは甘くありません。同じ「物」が壊れても、眼鏡代は人身、靴や衣類は物損、こんな議論をしているのが、「損害賠償」が問題となる「法律」の世界です(私は、こういった、議論のための議論みたいなことがあまり好きではありませんが・・・)

自分自身が被害者になることは、それほど多くなく、実は、交通事故に関することは何も知らない、何をすればよいのかもわからない人が大半です。

交通事故なんて、ありふれていると思っていても、自分で解決しようとすると、結構な頻度で、壁にぶち当たると思います。

壁にぶち当たったときはもちろん、そうならないための予備知識を得るためにも、一度、法律相談を受けてみることをお勧めします。弁護士費用特約があれば、相談費用の自己負担はありません(弁護士費用特約のない方は、相談費用は自己負担となります)。

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